
琉球新報コラム「星空保護区」
2016.04.14 /
2020.02.04
琉球新報コラム 落ち穂(2016年4月7日)
第7回「星空保護区」
世界中の暗い夜空の保護・保存を目指して活動している世界最大のNPO団体「国際ダークスカイ協会」が、非常に優れた星空環境を有する地域を「星空保護区」として認定している。星空の世界遺産のような位置づけだ。
中でも有名なのが、ニュージーランドのテカポという人口300人程の小さな町。これまで2度訪れたことがあるが、その美しい星空に感動したのはもちろんのこと、それ以上に感銘を受けたのが星空を守る町の姿勢だった。町の街灯にはすべて傘が取り付けられ、光量も適度に抑えられている。町が一体となって暗い夜空を守っているこの町に、世界中から大勢の人たちが美しい星空を求めてやってくる。
なぜ星空がそれ程までに貴重なものとなったのか、それは世界の多くの都市で人工の光が溢れ、暗い夜空が失われたから。それもここ百数十年の急速な科学の進化と経済の発展によって、またたく間に夜が夜でなくなってしまった。
街の明るさは文明の繁栄を象徴していると言える。しかし、無造作に、無頓着に光が増え過ぎてしまった。過剰な照明が「光害」という問題を引き起こしているが、この問題に気づいている人は多くない。これは、一昔前の公害問題によく似ている。20世紀の産業発展の時代、当時は街からわき上がる煙がその街の繁栄を象徴すると言われた。しかし、無造作に増えてしまった煙や工業廃棄物が後に社会問題となったことは周知の事実だ。今ではクリーンな街づくりが当たり前である。
今後、光害という視点を持ったクリーンな夜空を保護する街づくりが最先端になるはずだ。「星空保護区」は単に星空が綺麗な地域を認定しているのではない。街の工夫や努力によって夜空が保護され、人の暮らしと星空が共存している地域を認定している。
国内初の「星空保護区」の認定候補地が石垣島だ。美しい星空、豊かな自然、固有の生態系を有しながら、5万人近い人々が暮らす石垣島こそが、光害のない新しい時代の都市デザインのモデルケースに相応しく、それが実現できれば「星空保護区」として時代をリードする街となり得る。
星空ツーリズム社代表
上野 貴弘
星空ツーリズム社オフィシャルツアー
石垣島の星空浴ツアー
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星空ツーリズム石垣島
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