琉球新報コラム「地球と空の渚」

2016.04.13 /  2020.02.04

琉球新報コラム 落ち穂(2016年3月24日)
第6回「地球と空の渚」
 
星空は見上げるもの、と当たり前のように思っていたが、八重山諸島に来て、真横にも星が見える、星と目が合う、という体験をし、新たな星空の楽しみ方見つけた。
周りに街灯が無い、少し小高い所へ行くと、360度地平線が広がる全天パノラマビューの星空を見ることができる。その地平線と空の境目で繰り広げられる星々のドラマに四季を通じて魅了された。
春、日本本土では見ることのできない南十字星が、南の水平線上にのぼる季節。南半球では十字架が逆さまに見えるが、八重山では海の上で綺麗に正立する。その姿はとても神々しく感動的な光景だ。
春から夏に移り変わる頃、南十字星が西に傾き、地平線にその姿を隠そうとすると、東の低い空から夏の天の川がのぼってくる。南十字星と天の川を両方同時に見ることができるこの時期は、八重山ならではのプレミアムナイトだ。
夏、島の観光客の賑わいの最盛期には、夜空も最高潮に賑わう。南の水平線から立ちのぼり、頭上を超えて、北の地平線までアーチを描く天の川は、180度大きく首を振って見ることになる。実際、天の川は地球の裏側までぐるりと回り込んでいる銀河の姿であって、地球はその中にある。天の川は決して遠くの宇宙を見ているのではなく、私たちの住んでいる場所を見ているということをこの景色から実感することができる。
秋、あの沈まぬ星で有名な北斗七星がここ八重山では沈んでしまう。日本の中でもかなり南にいることの証拠だ。東の地平線からは八重山の星文化を象徴するスバルがのぼってくるのもこの季節だ。毎年、シーズン初観測できた日はなんだかとても嬉しくなるのは、八重山だからこそ。
冬、一等星が最も多く輝く季節、その代表格とも言える星座がオリオン座だ。東京でも簡単に見つけることができるが、八重山では地平線からその大きな姿を徐々に現す、「オリオン座の出」を楽しむことができる。
このように、海に囲まれた星空の美しい島だからこそ、真横の目線にある地球と空の渚で、季節毎の星空の変化を楽しむことができる。
 
星空ツーリズム社代表
上野 貴弘
 
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