琉球新報コラム「必要な光と不要な光」

2016.02.01 /  2020.02.04

石垣市で「星空まもるプロジェクト」がスタートしました。地域の貴重な星空資源を保護するためには、光害(ひかりがい)のことを知る必要があると思い、書かせて頂きました。
 
 
琉球新報コラム 落ち穂(2016年1月29日)
第2回「必要な光と不要な光」
 
日本で初めて街に電灯が灯ったのは明治11年の銀座。それから130年余り、瞬く間に街明かりは広がり、活動的で豊かな夜を私たちにもたらしてくれた。今や人々の暮らしは二十四時間営業だ。
宇宙飛行士の若田光一さんが、宇宙から見た地球環境についてこんなことを述べている。「昼の地球の表情は大自然の力強さが印象的です。反対に夜の地球の光景は街の明かりが目を引きます。それも科学技術を象徴するような明かり。地球上での人類によるエネルギー消費がいかに膨大であるかを物語る光であり、人間がいかに自然環境に影響を与えているかを印象づける光景です。」
光害(ひかりがい)という環境問題をご存知だろうか。生活に不必要もしくは過剰な夜間照明によって、天体観測への障害、生態系への悪影響、エネルギーの浪費といった問題を引き起こす公害のことである。この問題、少し誤解されやすいところがある。街を暗くしろ、明かりを我慢しろ、という単純な話しではない。
夜間照明は私たちの生活においてなくてはならないものである。大事なのは、「必要な光」なのか「不要な光」なのかだ。例えば、上空に漏れている光は「不要な光」である。もし、水道から水が漏れていたら蛇口を閉めない人はいないはずだ。何の役にも立っていないこの光は、エネルギーを無駄に浪費するばかりか、夜空から星空を奪い、渡り鳥の生態系も狂わせるなど様々な問題にも波及している。ニュージーランドのテカポでは、全ての街灯に傘が取り付けられ、適切な光量で必要な場所のみを照らしている。そのため、星空の美しさは世界一と言われている。
日本でもこの問題に積極的に取り組もうとしている地域がある。日本一の星どころ、石垣島だ。星空の保護および観光資源としての価値向上を目指す取り組み「石垣市星空まもるプロジェクト」が始まったばかりだ。5万人近い規模の人口のエリアで美しい星空が守られれば、世界的にも新たなモデルケースとなり得る。人々の暮らしと美しい星空は、トレードオフの関係ではない、共存できる。
 
星空ツーリズム社代表 上野 貴弘
 
 
 
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