琉球新報コラム「星空を見上げる訳」

2016.02.27 /  2020.02.04

琉球新報コラム 落ち穂(2016年2月25日)
第4回「星空を見上げる訳」
 
石垣島に移住してから、ほぼ毎日夜空を見に出かけている。東京にいた頃は、空はほとんど見上げていなかったように思う。肉眼ではほとんど星が見えない代わりに、狭いベランダに天体望遠鏡を出しレンズを覗いて、よく天体観測をしていた。
八重山諸島ではなんと言っても肉眼で見上げる星空が醍醐味だ。空いっぱいに広がる星々や天の川、降り注ぐ流れ星、そのダイナミックな夜空の景色は肉眼ファンタジーだ。
八重山でどれほどの流れ星を見ただろうか。晴れている日に夜空を見上げていると、流れ星が1時間に5、6個、多いときで10個以上見えることがある。
実は、この流れ星が私たち生命の源なのである。太陽系が誕生した46億年前、小惑星同士が衝突し合ってできた最初の地球は、衝突の影響でグツグツと煮えたぎるマグマのような塊だった。そのため、地球上には生命の元となる成分が一切存在していなかったと考えられている。その後、地球はゆっくり冷えていき、宇宙から降り注ぐ流れ星が地球表面に降り積もっていく。これが生命の元となった。
一筋の光を放つ流れ星は、宇宙空間に漂う星屑(大きさはたった1、2ミリ)が地球の重力に引っ張られて大気圏に突入し、その摩擦によって燃え尽きる瞬間を見ている。それら流星はなんと1日平均2兆個も地球に降り注いでいる。そのうち0.01ミリ以下の小さな星屑は、軽いため大気圏でふわっと受け止められ、摩擦で燃えることなくゆっくりと粉雪のようにふわふわと地表まで降りてきている。その量は1日約3万トンとも言われている。
NASAの無人探査機スターダスト(その名はまさに「星屑」)が、宇宙空間で彗星がまき散らす星屑を採取してサンプルリターンに成功した。その星屑を分析したところ、生命の誕生に欠かせないアミノ酸が発見されている。そのことからも、私たち生命が宇宙から降り注ぐ星屑によってもたらされたということがわかった。
私たちは星の子。だから人は、星空(ふるさと)を見上げたくなるのだと思う。
 
星空ツーリズム社代表 上野 貴弘
 
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